世論調査

1. 国の機関

  • 内閣府
    内閣府では1947年から現在まで、同機関によって実施された世論調査を公開している。公開リストには、日本国憲法に関する調査に加え、憲法改正論議において争点となってきた安全保障、外交に関する調査も含まれる。

2. メディア

  • 朝日新聞
    朝日新聞が定期的に実施している世論調査では、随時、憲法に関する調査を行っている。一般的に朝日新聞は全国紙として最も有力なリベラル紙として知られ、自民党政権、特に安倍政権 (2012-2020)の下での憲法改正に反対の立場を取ってきた。2018年5月3日付の社説では憲法記念日にあたり、安倍政権について、同政権の一連の政治スキャンダルに加え安全保障関連法の強行採決や閣僚の女性蔑視発言などを挙げ、憲法の普遍的な価値を軽視していると批判。同政権による憲法改正の正当性に疑問符をつける朝日新聞の論調を示す一例として捉えることができる。
    • テレビ朝日
      テレビ朝日制作の報道番組、「報道ステーション」では2006年から世論調査を実施している。テレビ朝日は朝日新聞の傘下にあり、「報道ステーション」の論調もまたリベラルと位置づけられている。「報道ステーション」が世論調査を公開している本ウェブページでは、憲法改正に関する調査の他、現政権への支持率など、調査結果を図表化している。
  • 産経新聞・FNN
    産経新聞とフジテレビはともにフジニュースネットワーク(FNN)に加盟している。FNNは原則、月に一度の頻度で世論調査を行っている(2012年12月から2018年3月に実施された調査はこちらを参照。)調査の設問は憲法に関するものを含め、その時々の時事的関心事に応じて異なる。産経新聞の論調は、一般的に保守と認知されており、自民党政権による憲法改正を支持してきた。当時の安倍政権に憲法改正実現を求めた2017年8月4日付「主張」(産経新聞の社説にあたる)は一例である。
  • ジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)/TBS
    ジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)は、TBSを含む、複数の報道局を抱える日本で最も規模の大きいニュースネットワークの一つである。このアーカイブサイトでは、2009年12月から2022年2月の間にJNNが実施した世論調査の結果を閲覧することができる。調査は、時事的関心事に合わせて随時異なるが、適宜、憲法改正に関する質問が含まれる。安全保障関連法案の成立直後の2015年9月には、緊急世論調査として集団的自衛権、自衛隊の活動範囲の拡充の是非を問う調査を実施している。
  • 毎日新聞
    毎日新聞では、定期的に実施している世論調査の結果を公開している。一般的にリベラル派とされる毎日新聞は、憲法改正について慎重な姿勢をとっており、とりわけ自民党政権による改正には反対している。2018年3月1日付の社説では、自民党が2017年末に党内で集めた条文案を取り上げ、批判的に考察している。
  • 日経新聞(日本経済新聞)
    日経新聞では、1987年から2005年には年に複数回、2006年以降は毎月の頻度で世論調査を実施している。一般的に日経新聞は、朝日新聞が左派、産経新聞が右派と見られる中、中立的な論調を維持している。憲法記念日に際して掲載された2018年5月2日付の社説では憲法改正議論の進展を望む一方で、安倍政権について与党との調整努力を見せない強硬姿勢が建設的な議論を阻害していると批判している。
  • ニコニコ動画
    動画配信サービスを行うニコニコ動画では、毎月会員を対象としたネット世論調査を行っている。このウェブサイトでは2015年以降の調査を掲載している(2014年以前の調査についてはここを参照)。調査は社会問題を扱う観点から有権者、18歳から49歳の会員を対象としている。ウェブサイトによると、50歳以上は回答数が少ないため捨象している。憲法改正を積極的に推進した安倍政権 (2012-2020)への支持率は、ニコニコでは他メディアに比べ高い傾向を示した。ニコニコでは調査を実施する毎に、結果を取り上げた解説動画も配信している。
  • ニフティ
    インターネット・プロバイダー、ニフティが運営するニュースサイトでは定期的に利用者を対象にアンケート調査を行っている。趣味から政治まで幅広く扱っており、編集部は調査結果に検証を加えて調査レポートとして公表している。2018年2月16日の調査では、憲法改正を取り上げた(同調査レポートはこちらを参照)。
  • 日本放送協会(NHK)
    日本放送協会(NHK)では、定期的に世論調査を実施している。2017年には、施行70年を記念するプロジェクトとして日本国憲法に関する世論調査「日本人と憲法2017」を行った(調査結果はこちらを参照)。
    • NHK 放送文化研究所
      1946年に設立されたNHK 放送文化研究所では、NHKによる世論調査を分析し報告書を作成している。報告書は本ウェブサイトで公開されており、日本国憲法に関する世論調査に関する報告書(2015年版・2017年版)も含まれる。
  • 新聞通信調査会
    新聞通信調査会は定期的に新聞及び各種メディアに関する意識調査を行っており、2013年以降、随時、憲法改正報道に関する調査を行っている。調査結果は本ウェブサイトで閲覧可能。
  • 読売新聞
    読売新聞は毎月、時事的関心事に合わせた世論調査を行っており、随時、憲法に関する質問を設けている。 読売新聞は多条項に亘る包括的な憲法改正を推進しており、9条については自衛隊の違憲性を払拭する必要性を訴えている(2018年5月3日付社説参照)。
    • 日本テレビ
      日本テレビは1974年以降、読売新聞を発行する読売新聞グループの傘下にある。日本テレビは月に一度の頻度で現政権の支持率の調査を実施しており、随時、憲法改正に関する項目が含まれる。調査結果は本ウェブサイトで閲覧可能。

​​​​​​​3. その他

  • 日本青年会議所
    日本青年会議所は憲法改正を主張しており、2005年には独自の改正草案を発表している。2017年7月に憲法改正に関する討論会を主催、教育の無償化拡大の明記を主なテーマに据えた。同イベントに合わせてアンケート調査を行った。
  • ​​​​​​統計数理研究所
    統計数理研究所は1944年に文部省直轄の研究機関として設立された。1953年より「日本人の国民性調査」と題した社会調査を5年毎に行っており、1993年の調査には、憲法改正に関する質問が盛り込まれた。