天皇の統治権
Imperial Sovereignty
明治憲法は、天皇を統治権の総攬者とし、「神聖にして侵すべからず」と規定した。憲法学では、天皇が統治権を総攬する主体であるとする「天皇主権説」と、天皇を国家機関として位置づけ、統治権の行使を説明する「天皇機関説」との間で、統治権・主権の所在をめぐる解釈上の対立が生じた。1935年の天皇機関説事件と、それに続く政府の国体明徴声明によって、天皇機関説は公的に排斥された。これらの経緯は、戦時体制の形成との関連においても論じられている。日本国憲法では、天皇は「主権の存する日本国民の総意」に基づく「日本国及び日本国民統合の象徴」とされ、国政に関する権能を有しない。